しば部長の菜園作り豆知識
「とう立ち」について

春になると、とう立ち(=抽苔)して来る野菜があります。ホウレンソウなどの葉菜類の中にはとう立ちすると葉が硬くなったり、大根などの根菜類はスが入って硬くなったりして食味が悪くなってしまったり、たまねぎなどのように肥大が悪くなってしまい利用価値を下げてしまう野菜も多くあります。逆に、ふきのとう・なばな・ブロッコリー・カリフラワーなど、とう立ちした部位を利用する野菜もあります。

野沢菜の抽苔開花

野沢菜の抽苔開花

  とう立ちの「とう」は「」という漢字をあて、まさに「蕗(ふき)の」の「とう」に当たります。は花を咲かせる茎のことで、花芽がついた茎が伸びることを「とう立ち又は抽苔」と言っています。作物は、茎やわき芽の先端の成長する部分が温度や日長などの条件に感応して花芽が形成され「とう立ち」する植物と、温度や日長の影響を受けにくく、その植物が一定の大きさに成長したら花芽を形成する植物とに大きく分けることができます。


大根の抽苔

大根の抽苔

●ダイコン・かぶ・野沢菜・小松菜・白菜などの野菜は、種蒔きした時から低温に一定期間遭遇することにより花芽ができて温度の上昇とともにとう立ちして来ると言われています。(品種により感応する温度や期間は異なります)



●ブロッコリーやカリフラワー、ねぎや玉葱、キャベツなども低温に感応して花芽ができると言われている野菜ですが、これらの野菜は一定の大きさになってから低温に遭遇しないと感応しないとされています。

ブロッコリーやカリフラワー


ホウレンソウの抽苔

ホウレンソウの抽苔

●ホウレンソウ・からし菜・しゅんぎくなどは長日条件(日長がおよそ12時間よりも長い日長)により花芽が出来てとう立ちしてきます。このような作物は長日作物または、長日性作物と呼ばれています。



●しそ・おかひじき・等は短日条件(日長がおよそ12時間よりも短い日長)で花芽が作られます。このような作物を短日作物または短日性作物と呼んでいます。



●トマト・なす・トウガラシなどは温度条件や日長条件にあまり関わりなく、植物体がある程度の大きさになった時から花芽を着けるようになる作物です。



 今では品種改良などにより温度や日長の影響を受けても「とう立ち」しにくい品種(晩抽性品種)が春まき用の種子として販売されています。しかし、その品種がもともと持っている特性を完全になくすことはできませんので、とう立ちの失敗をしないようにする為には、そのことを理解して品種に合った作付けを行うことが大切だと思います。春まき大根やほうれん草を栽培するときに注意したい点についてはまた次回。

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